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2019-03-27 (Wed) 10:53

鉄矢氏、国名「朝鮮」は明から貰った名前?

あと一つ、鉄矢氏のYouTubeを見てみようと思って、「日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまでに違うのか」というのを観た。まあ、個人的見解だし、自己責任なんでその部分についてはとやかくいうつもりはないけど、、、

ファクトの部分はどうしても耳に引っかかってしまう。それで一つだけ、、、

「例えば 朝鮮という呼び名がありますな これは 加奈さん 驚くなかれ 私初めて聴きましたが これは 李成桂というね 李氏朝鮮の創始太祖 伝説のね この人が半島統一したおり 中国に頼んでいただいた名前 明の皇帝に国名をつけてくださいとおねだりして いただいた それが朝鮮なんですな (中国からもらった名前なんですね) そうですそうです
「ただ この明から名前をつけてもらったんですが 明が傾き始めると真っ先に 明の人たちを殺しに行ったのも李氏朝鮮なんですよね
「この辺を黄さんが ほれみろ というもうすごい勢いでやってらっしゃるんでございあの あれですよね あのう一方的になりますので 中国とか韓国の方に失礼になりますんで

え?朝鮮という国号が、明の皇帝に貰った名前?それでぐぐってみた。すぐにWikiの記事が引っかかる。


李氏朝鮮による採用

高麗を打倒して王位に就いた李成桂は、重臣達と共に国号変更を計画し、「朝鮮」(朝の静けさの国)と「和寧」(平和の国)の二つの候補を準備し、明の洪武帝に選んでもらった。「和寧」は北元の本拠地カラコルムの別名であったので、洪武帝は、むかし前漢の武帝にほろぼされた王朝(衛氏朝鮮)の名前であり、平壌付近の古名である「朝鮮」を選んだ。そして李成桂を権知朝鮮国事に封じたことにより、朝鮮は正式な国号となった。和寧というのは単に李成桂の出身地の名であり、朝鮮はかつての衛氏朝鮮・箕子朝鮮・檀君朝鮮の正統性を継承する意味があったためにこちらが本命とされており、国号変更以前からそれを意識する儀式が行われていた。



「貰った」んじゃなくて、二択のうち「朝鮮」を〝選んでもらった〟ってことね。

しかし、古代史やってれば、『史記』『漢書』の時代から、「朝鮮」という名前は頻出することくらい知ってて当然だと思うんだけどね、、、

まあ、この部分は〝完全な間違い〟じゃなくて、何かの心情が働いて、「朝鮮」なる国名が新しいってことを言いたかったがために、黄さんの書いたものを脳内誤変換してしまったということかな?

この発言の直後で、鉄矢氏は、
「あのう一方的になりますので 中国とか韓国の方に失礼になりますんで
なんて一応の国際的配慮は施してるけど、事実の基本認識をきちんと固めてから発言したほうがよくね?

ローラが辺野古について発言したら、いろいろとウルサイが、鉄矢氏がこんなずさんな発言しても、うるさく言う人いないみたい。事実に基づかない発言ってのは、歴史好きの人間にとって最も注意すべきことなんじゃないかと思うんだけど?

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最終更新日 : 2020-11-09

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